年代によって意識が違う!?相談現場から雑感

こんにちは。

ファイナンシャルプランナーの土田です。

 

今日は最近のご相談から感じることを少しお伝えしたいと思います。

 

最近数カ月内だけでも20代から60代まで幅広い年代の方々がご相談にいらっしゃいます。

 

その中で20代30代前半までの世代とそれ以降の世代では明らかに違いがあると感じています。

 

単刀直入に言えば、将来に対する「危機感」が違います。

 

一例を挙げると、20代30代前半の方は「住宅を購入する前」に相談に来るケースが多く、それ以上の世代は「住宅購入後」に相談に来るケースが多いです。※もちろん例外もあります。

 

住宅購入という人生最大の買い物の前に、しっかりと将来を見据えて「買っても将来大丈夫か?」「購入予算はいくらまでなら大丈夫なのか?」というマネープランを立てるためにご相談に来て頂くと、住宅だけでなく、子供の教育資金計画や老後の資金計画といった人生3大資金も含めた、「人生全体でのプランニング」ができるため、相談後に安心して住宅購入に踏み切れるという結果を得て頂けます。

 

将来に不安を感じているから、いまが良くても(住宅ローンは問題なく払える状態)でも将来まで考えて買おうという堅実さがある若い世代が増えていると感じます。

 

 

 

ところが、住宅購入後にご相談来るケースでは、もう既に大きな住宅ローンを組んでいますので、そこにはほぼメスは入れられません。

 

この場合2つに分かれます。

 

一つは住宅の予算が適正範囲である場合。

 

この場合は比較的容易に家計見直しして資金計画を立て直すことで解決していきます。

 

 

問題は、住宅予算が過大であった場合です。

 

この場合は住宅予算が収入に対して過大なので、家計の将来をシミュレーションすると2回の家計破綻(預金残高が0以下になる)が起こります。

 

1回目の家計破綻は、子供の大学入学から始まります。末子の大学卒業まで家計はプラスになりませんので一般的には教育ローンの活用はもちろん、不足分は「何かを諦める」ことで補います。例えば子供が奨学金を借りることやアルバイトをして生活費に充てるなどですし、親の家計も節約する事になるでしょう。

 

そして2回目の破綻は老後に訪れます。

 

平均的な老後の生活費で計算しても早い方だと70歳前に退職金も底をつく計算になります。

 

そして、老後の破綻は亡くなるまで続くのですが、実際には「老後ローン」のようなお金を他から持ってくる手段がないので、平均的な生活はできないという事になります。健康であればまだ良いですが、介護や病気療養となれば医療費も掛かりますのでより生活は厳しいでしょう。

 

この様に、住宅に予算を多く取られると、その他の資金が不足し、結果「老後生活資金」にしわ寄せが来ます。そしてこの老後資金は繰り返しますが、他からお金を融通するのは難しいのです。

 

こういったシミュレーション結果を見ると将来に不安を感じざるを得ないのですが、住宅はもうすでに購入しているのでどうしようもありません。

 

そして、なぜこのような過大な予算で買ったのかを聞くと、「一生に一度の買い物だから」「ローン審査が通ったから大丈夫と思った」「当初の予算から追加追加で結局こうなった」など予算感が非常に低いことが分かります。

※中には「住宅会社から紹介されたFP(実際には保険会社の営業マン)に見てもらったら大丈夫と言われた」というものもありますが、シミュレーション結果を見ると大丈夫に見えるように恣意的に数字を創っていました。FPを騙って大きな買い物に対して偽のシミュレーションを出す偽専門家がいる事に大変ショックを受けました。お気を付けください。

 

 

では、何故世代によって考え方が違うのでしょうか?

 

左図をご覧下さい。

 

これは日本の人口推移を年代別に表したグラフです。

 

2010年をピークに人口が減少していっています。また、高齢化も凄い勢いで進んでいるのも見て取れますね。

 

30代後半以上の世代は、子供のころも含めて高度経済成長やバブル景気を経験しています。私も子供のころはバブルの真っただ中でしたから、TVなどで「ジュリアナ東京」みたいな好景気の象徴を目にしていました。

 

私の世代は高校くらいにはバブルの崩壊からの景気低迷期に入り就職氷河期になるのですが、子供のころに経験していた、経済が発展するイメージは記憶に残っていて、何となく「将来も大丈夫」と思ってしまいがちです。

 

しかし、それよりも若い世代は、バブルの崩壊からの時代を生きてきました。そして大人になるころには少子高齢化や人口減少といった「ネガティブ」な現実と真正面から向き合わなければなりませんでした。そして、年金問題なども考えると、とても「将来は大丈夫」と楽観視できない状況で生きています。

 

この危機感の違いが、実際の相談現場にも表れていると感じます。

 

昨日のブログで取り上げた新社会人の実態調査から、実際の相談現場の状況も鑑みて推察してみました。

 

もしあなたが住宅購入を考えているなら、ぜひ購入前にご相談ください。

 

ご相談はこちらかどうぞ。

 

今日もありがとうございました。

 

あきたで出産・子育てガイドブックに取材記事が掲載されました。

クルール秋田版(4月号)に記事が掲載されました。

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