こんにちは。
ファイナンシャルプランナーの土田です。
高齢化が進む日本において「認知症」は大きな問題です。厚労省のHPによると2025年には認知症患者数が700万人を2050年には1000万人を超えるという試算がされています。これは高齢者の認知症患者率が2025年時点で25%となる予測(※2012年では15%)で、今後人口減少、高齢化が進んでいく日本において喫緊の課題といえるでしょう。
そんな中、エーザイの認知症治療新薬がアメリカで承認されたようです。
日経新聞 6/8朝刊 「エーザイの認知症薬、米で承認取得 世界初の進行抑制型」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC200Y60Q1A520C2000000/
以下引用
米食品医薬品局(FDA)は7日、エーザイと米バイオジェンが共同で開発するアルツハイマー型認知症治療薬候補について、承認申請を認めると発表した。従来の認知症薬とは異なり、認知機能の低下を長期的に抑制する機能を持つとして世界で初めて承認された。新薬の登場で、認知症の治療が大きく変わる可能性がある。
米当局がアルツハイマー型認知症の治療薬を承認するのは18年ぶり。FDAが設置した外部の専門家による諮問委員会からは昨年11月に有効性に対して否定的な見解が出ていたが、当局は承認に踏み切った。
引用終わり
記事によると、認知症の中でも半数以上を占める「アルツハイマー型認知症」の進行を抑制する新薬がアメリカで承認されたようです。
アメリカにおいては相当なビッグニュースだったようで記事を引用すると
以下引用
米メディアも歴史的な承認を大きく報じた。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルやニューヨーク・タイムズは「FDAが18年ぶりにアルツハイマー治療薬を承認」と、トップニュースとして扱った。米アルツハイマー協会も承認を歓迎する声明を出しており、ハリー・ジョンズCEOは「アルツハイマーを患う人々とその家族にとっての勝利だ」と述べた。
引用終わり
と「勝利」という言葉を用いているところがいかにもアメリカらしいですね(笑)
しかし、この新薬はまだ日本では承認されておりませんので、今後承認されるかどうかもアメリカでの結果にもよるかも知れません。
とはいえ、これが日本で承認されるとすると治療費が気になるところです。記事中には年間治療費が約610万円となっており、これを日本の認知症患者数で考えると、アルツハイマー型が半数と仮定しても2025年で350万人となる訳で、その半数が治療で使用した場合に単純計算で約10兆円もの費用が掛かります。
保険診療で受けた場合にはほとんどが健康保険負担になるので患者側は負担が少なくてよいのですが、国家財政には重く圧し掛かりますね…。
そう考えるとやはり、高齢者はもちろんその前から「予防」することが重要になってくると思います。認知症の原因になる疾患として糖尿病が挙げられている(久山町研究※厚労省HPより)ので、若い内から糖尿病にならないように気を付けて生活したいものです。
その他にはやはり治療費療養費のためにも「資産形成」をしておくことも重要でしょう。
※認知症の場合だと自分の資産を使えなくなる可能性もあるので「家族信託」なども活用する必要性も出てくるかも知れません。
認知症や老後の問題は国や企業が100%解決してくれるものではなく、やはり「自己防衛」の意識と行動が大切ですね。
何はともあれ、認知症の新薬が承認されたことは認知症問題解決への第一歩であることは間違いありません。エーザイの皆様に感謝です!
今日もありがとうございました。