新型コロナの陰に3つのバブル?

こんにちは。

ファイナンシャルプランナーの土田です。

 

新型コロナの影響や反動から世界で様々な動きがみられるようです。

金融関係では遂に「バブル懸念」が強まっています。

 

ブルームバーグ2021/6/3 「世界で住宅高騰、値上がり率は2006年以来の高水準」

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-06-03/QU40JST1UM0W01

 

以下引用

世界的に住宅価格が高騰しており、世界金融危機前の2006年以来の上昇率となっている。ニュージーランドからカナダ、シンガポールに至るまで、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)時に住宅市場は熱狂的なブームとなった。

  3日発表された不動産仲介会社ナイト・フランクの世界住宅価格指数リポートによれば、3月までの1年間に住宅価格は平均で7.3%上昇。061012月(第4四半期)以来の高い伸びとなった。国別ではトルコの32%上昇がトップ、続いてニュージーランドの22.1%上昇となった。米国は5位で13.2%上昇と、0512月以来の大幅値上がりだった。

  コロナ禍の経済を支える大規模な財政刺激策や金融緩和が世界の不動産ブームを巻き起こした。同時にバブル懸念も高まっており、幾つかの国は既に過熱する住宅市場の冷却に動いている。

引用終わり

 

テレワークも増えたことで郊外の一戸建て需要が増えたことなどから、木材価格が高騰していることや、金融緩和による金余りと金利の低下が拍車を掛けた形で、世界的な住宅価格の高騰が起こっています。日本でも輸入木材がシェア7割とのことで、国産材の活用などもしているようですが、年初から木材価格が1.5倍にもなっているようで、最近は更に高騰しているという情報もありました。

 

また、金融界ではもう2つバブルの兆候がおこっていて、その一つが「ミーム銘柄」です。

 

ブルームバーグ 2021//9 「民営刑務所の運営事業者も「ミーム銘柄」に」

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-06-09/QUFOX5DWX2QB01

 

以下引用

9日の米株式市場で、新たな銘柄群が個人投資家の買いを集め、「ミーム銘柄」を巡る熱狂に加わった。

  ディスカウント小売りサイトのウィッシュ・ドット・コムを運営するコンテキストロジックや医療保険のクローバー・ヘルス・インベストメンツはこの日、大幅続伸後に急反落したが、代わって民営刑務所の運営会社ジオ・グループや天然ガス・スタンド運営のクリーン・エナジー・フューエルズが急伸。それぞれ終値は38%高、32%高となった。

  欧州でもエア・ベルリンが前日の54%高に続き137%上昇した。

  一方、ノースコーストとスティーフルが共に投資判断を引き下げたファストフードチェーンのウェンディーズは前日の26%高から反落し13%安となった。

  オンライン掲示板レディットなどで話題になった後に急伸する「ミーム銘柄」の熱狂は今週に入って再燃していた。

引用終わり

 

SNSなどで個人投資家がターゲットとなる銘柄を定めて買い進める「ミーム銘柄」の急騰が市場を賑わしていますが、何の裏付けもない株価上昇はビットコイン以上のハイリスクとなり参加者は熱狂しているのでしょう。こういった投機的な動きが、投資初心者に「投資=ギャンブル」という印象を与えかねず個人的にはとても歓迎できない動きですね。

 

バブルを意図的に生んでいる状況で、何らかの規制をして欲しいところです。

 

そしてもう一つ

 

ITメディアビジネスオンライン 2021/6/14 「日本でも解禁?急拡大する“空箱”上場のSPACのメリット、デメリット」

https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2106/14/news076_2.html

 

以下引用

 特別買収目的会社「SPAC」(スパック)を巡る議論が活発になってきた。SPAC上場とは、事業を営んでいない“空箱”の企業が上場し、その後、ベンチャー企業などを買収することで、実質的にスピーディな上場を実現する仕組みを指す。

 1980年前後から米ニューヨーク証券取引所で例が出始め、昨今その数が急上昇している。20211-3月の米国での上場件数は389件で、そのうち298件がSPACを使った上場だ。

引用終わり

 

SPACは事業実態のない空箱の状態で資金を集め上場し、2年程度かけて未上場企業を買収し合併することで未上場会社が上場企業になるという仕組みです(超ザックリですが)。

 

上場のハードルを下げることでベンチャー企業など未上場企業の活性化に繋がり、また、投資家も上場しているSPAC企業に投資することで未上場企業に投資できるので面白味もありそうです。

 

しかし、実体では、SPAC企業がしっかりと調査(デューデリジェンス)を行っていい未上場企業を買収できるかという問題があり、記事中でも課題として(以下引用:15年以降に公開された89SPAC18.5%が、投資家にとって損失となった。また、多くのSPAC投資家は手っ取り早い現金を手に入れることを優先するので、会社を長期的に保有するつもりがない」

 あまりにもSPACが増加したので、買収先が見つからないことも課題になってきている。「買収先がないSPACが数百件出てきている。SPACが上場しているのに買収企業がないというのが大きな問題だ」(ウッザマン氏)引用終わり)

としており、これも実体のなさ加減でいえばバブルなのかも知れません。

 

いずれにしても将来の大切は「資産を形成する」手段としては、ミーム銘柄もSPACも不要と思いますが、「うまい話には裏がある」と肝に銘じておきたいところですね。※特にSPACはすでにETF(上場投資信託)にもありますし、日本でも導入が検討されているので要注意です!

 

今日もありがとうございました。

 

 

 

 

 

クルール秋田版(4月号)に記事が掲載されました。

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