じわりじわりと忍び寄る大きな影「インフレでも給料が上がらない時代」

こんにちは。

ファイナンシャルプランナーの土田です。

 

昨日は日経平均が暴落し953円安の28,010円の終値を付けました。

理由として一般的に言われているのは、アメリカの中央銀行であるFRBが利上げの前倒しを示唆したため、世界的に景気回復が遅れるという懸念ということですが、新型コロナ禍での世界中の金融緩和・財政出動という中で、株高や商品高といったインフレを期待した取り引き「インフレトレード」が変調していくのか今後に注目ですね。

 

とはいえ、IMFなどの景気見通しでも長期的なインフレは盛り込まれており、アメリカでは2%程度のインフレが継続しそうと言われています。

 

インフレになってもそれ以上に給料や運用資産が増加すれば問題ありませんが、アメリカでも労働市場の回復が遅れると、賃金が上昇しないなかのインフレになってしまうので、そうならないように政策を取っていくでしょう。

 

しかし、我が国ではどうでしょうか?

 

今日の日経新聞にこんな記事がありました。

 

日経新聞 2021//22 朝刊 「安いニッポン ガラパゴスの転機(1) 世界一律価格、日本へ」

https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20210622&ng=DGKKZO73117980S1A620C2MM8000

 

以下引用

世界的なインフレ懸念が浮上する中、日本は消費者物価がほとんど上がらない。モノもサービスも、賃金も安くなったニッポンは物価上昇の波に向き合えるのか。価格の現場が示す様々なヒントから考える。

「少し高いなあ」。都内の20代の女性会社員が漏らした。米動画配信大手ネットフリックスが月会費の引き上げを決めた2月のことだ。

同社は各国で約2年おきに料金を見直す。独自コンテンツが増えたこともあり、日本の主力プランは13%170円)上がり1490円に。一方、改定後に13.99ドル(約1500円)となった米国の上げ幅は月1ドル、約8%。改定後の価格は世界各国でほぼ横並びだ。

これまでグローバル企業は「安いニッポン」を考慮した値付けが多かった。動画や配送料が無料になる米アマゾン・ドット・コムのプライム会員。年会費は米国が119ドル(約13千円)、英国が79ポンド(約12千円)に対し日本は4900円と4割程度だ。ネットフリックスの値上げは、グローバル標準の価格が各国の経済事情とはお構いなしに入り込んできたことを示す。

賃金が上がらない国の負担は重くなる。その代表が日本だ。経済協力開発機構(OECD)などのデータでみると、日本で最高だった1997年の実質賃金を100とすると、20年秋時点で日本は90.3と減少が続いている。米国は122.2、英国は129.7、韓国は157.9だ。

引用終わり

 

記事の通り、世界で日本だけが賃金の上がらない状態で推移してきました。

デフレとはいえ物価は上昇しているので、賃金が上がらないと実質賃金(物価の上昇を割り引いた賃金)は減少してしまいます。

 

アメリカは物価は上昇していますが、賃金も上がっているので、実質賃金も122.2%と増加しました。

 

バブルの頃は日本の物価は高く、海外旅行に行くと安く買い物ができるので、買い物をするために海外へ行く方も多かったと聞きますが、今は日本が物価が安く、世界からみると非常に住みやすい状態になっています。

 

しかし、こうした「日本だけ物価安」はいつまで続くでしょうか?

 

記事をまた一部引用すると

グローバル需要で決まる企業物価と、内需で決まる消費者物価のねじれが大きいにもかかわらず、企業は製品に価格転嫁できない。調達コストの吸収へ人件費の切り詰めに動き、非正規など労働者にしわ寄せが及ぶ。

その結果、消費も伸び悩み企業収益も低迷する悪循環が続いている。連合の神津里季生会長は「今の構造のままだと、社会全体での賃上げは難しい」ともらす。

製品の付加価値を高めて値上げし、賃上げにつなげるグローバル企業。この常識が通用しない日本にインフレの波が押し寄せてきた。「ガラパゴス経済」に転機が静かに忍び寄る。

引用終わり

となっており、デフレスパイラルで賃金を上げられない日本にも、しっかりと物価上昇の波は押し寄せてきています。

 

「インフレでも給料がなかなか上がらない」という時代の足音が近づいています。

 

あなたの家計はインフレに強い家計になっていますか?

 

具体的には預貯金や保険商品(外貨建て含む)で資産形成をしていては将来のインフレに対応できない可能性が高いです。また、家計に余裕がなくて運用まで回らないという方も、今後は更に物価上昇や増税などで出費が増える可能性が高いので、今の内から家計を見直しておく必要があります。

 

私も含め、多くのFPや専門家が警鐘を鳴らしてきたことがどんどん現実化しています。

インフレに強い家計にして、今も将来も安心できるようにしたいものですね。

 

自分で勉強して何とかしたい!という方はこちらをご参考にして下さい。

こういったことは専門家に任せたい。専門家と一緒にやっていきたいという方はこちらからお問合せ下さい。

 

今日もありがとうございました。

 

あきたで出産・子育てガイドブックに取材記事が掲載されました。

クルール秋田版(4月号)に記事が掲載されました。

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