こんにちは。
秋田のファイナンシャルプランナー、土田茂です。
連日、ニュースで株価の話題が取り上げられていますね。
29日の日経平均株価は、ついに5万1300円台となり、過去最高値を更新しました。
資産形成層の方もですが、50代、60代で退職金の受け取りが見えてきた方にとっても「投資」は気になるキーワードです。
しかし、これだけニュースが盛り上がっていると、
「今さら始めても大丈夫?」
「もしかして、一番高い時に買ってしまうのでは…」
と、期待よりも不安が大きくなってしまう方も多いのではないでしょうか。
「老後の生活費は、本当に年金だけで足りるだろうか…」
「インフレ(物価上昇)で、貯金の価値が目減りしたらどうしよう…」
そんな漠然とした不安を抱えながら、この景気の良いニュースをどう受け止めたらよいか。 今日は、この「株価最高値」のニュースに隠された、私たちの将来に関わる「明るい面(光)」と「知っておくべき面(影)」を、わかりやすく解説します。
まず、なぜこんなに株価が上がっているのでしょうか?
難しい経済用語は抜きにして、ポイントを掴みましょう。
アメリカ経済が絶好調 ニュースにもありましたが、アメリカの主要な株価(ダウ平均)も最高値を更新中です。特にAI(人工知能)関連の企業がぐんぐん伸びており、その勢いが世界中に広がっています。
海外の投資家が「日本株」に注目している 実は、今の日本株ブームを牽引しているのは、私たち日本人投資家というより、「海外の投資家」です。彼らが「これからの日本企業は伸びそうだ」と期待して、日本の会社の株をたくさん買っているのです。
日本の企業も頑張っている 特にAI(人工知能)の分野で使われる機械(半導体テスター)を作っているアドバンテストのような会社が、業績予想を大きく伸ばしています。日米政府の後押しもあり、日立製作所やソフトバンクグループなど、世界で活躍する日本の大企業も注目されています。
景気が良く、企業が儲かれば、回り回って私たちの生活や雇用にも良い影響が期待できます。
これは素直に「明るいニュース」と言えますね。
しかし、このニュース、良いことばかりでしょうか?
「資産運用する」私たちにとって、冷静に見るべきポイントが2つあります。
1. 「円安(えんやす)」が隠れている
記事の中に、少し難しいですが大切なことが書かれていました。
「日経平均の年初来の上昇率は28日時点で26%に対し、日経平均を米ドルで換算したドル建て日経平均は31%だ」
これはどういう意味でしょうか? 簡単に言えば、「円の価値が下がっている(円安)」ということです。
海外の投資家(例えばアメリカ人)から見ると、日本株は「株価の上昇」と「円安(安く買える)」のダブルでお得に見えています。だから、たくさん買ってくれるのです。
しかし、私たち日本に住む者にとって、「円安」は輸入品(食料品、ガソリンなど)が値上がりすることを意味します。
つまり、
「株は上がっているけれど、同時に日々の生活費も上がっている(インフレ)」
という状態です。
2. 銀行預金の「価値」が減っている
ここで一番怖いのが、このインフレ(物価上昇)の状況下で、何もしないことです。
ニュースの最後にあるように、日銀(日本銀行)はまだ金融政策(金利)を変えそうにありません。 これはつまり、銀行の普通預金や定期預金の金利は、ほぼゼロのままだということです。
もし、物価が年に3%上がっているのに、銀行預金の金利が0.1%だとしたら…。
大切に貯めてきた退職金は、「金額」は変わらなくても、「買えるモノの量(=実質的な価値)」はどんどん減っていくことになります。
このニュースから見えてくるのは、 「株価が最高値だから、今すぐ全額投資だ!」ということでも、 「怖いから、やっぱり全額銀行預金だ!」ということでもありません。
一番のリスクは、 「円安とインフレで『円』の価値が静かに減っていく現実」から目をそらし、大切な退職金を金利のつかない銀行に置いたままにしてしまうこと なのかもしれません。
株価が上がっているのは「光」ですが、同時にインフレという「影」も忍び寄っています。
「でも、投資は怖い」
「何から始めたらいいかわからない」
「誰に相談したらいいか…」
そのお気持ちは、痛いほどよくわかります。
私も知識が不足していたときはそうでした。
大切なのは、ご自身の退職金を「守る」部分と、インフレに負けないよう「育てる」部分に、きちんと仕分けすることです。それは、ご家族の状況や、ご自身の「安心できる範囲」によって、一人ひとり全く違います。
もし、ご自身の「漠然とした不安」の正体や、ご自身に合ったお金の置き場所を整理してみたいと思われましたら、ぜひ一度、お気軽にお声がけください。
まずはあなたのお話を伺いながら、一緒に「安心できる老後」への第一歩を考えるお手伝いをさせていただきます。
初回無料のご相談、こちらからお気軽にお問い合わせくださいね。