日本電産永守会長が考える大学の問題点

こんにちは。

ファイナンシャルプランナーの土田です。

 

衆院選挙も終わり、自民党が勝ったというよりも野党筆頭である、立憲民主党が共産党との共闘を選択したことで自滅したという見方が強い結果となり、維新が大きく議席を増やしたことでどのように国会に変化が起こるかが楽しみです。

 

日本では「経済一流、政治は二流」という言葉が昭和の時代から言われ、今では「経済二流、政治は三流以下」と言われています(もっと厳しく言う方も多いですが…涙)

 

日本の置かれている状況は非常に厳しく、経済面でも国防・安全保障面でも問題が多くあり、政治家の方々には国会を劇場化することではなく、本来の業務である「立法」をこれからの時代に合わせて行って欲しいと思います。

 

さて、そんな改革を必要とする分野の一つである教育に関して日経新聞にこんな記事がありました。

 

日経新聞2021/11/3 Web版 「「ブランド主義が大学改革の壁」永守重信・日本電産会長」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGH04AAH0U1A800C2000000/

 

以下引用

改革がなかなか進まない日本の学校教育。岩盤のように変化を忌避する構造に風穴を開けるには何が必要か。キーパーソンや有識者にインタビューした。

――経営に乗り出した京都先端科学大(KUAS)の工学部新設では文部科学省の認可が遅れました。

「会社をゼロからつくり、世界ナンバーワンの総合モーターメーカーになった。産業界は公平公正な競争原理が働いており、企業はどんどん改革を進められるが、大学は文部科学省が許認可権を握っている。審査の過程では重箱の隅をつつくような質問をされて苦労した」

「だが文科省でもKUASの理解者が出てきて、2022年度にはビジネススクールも開設する。文科行政は変わってきたし、もっと変わると期待している」

――大学改革で最大の障壁はなんですか。

「根強いブランド主義だ。競争原理が働かない。友人の孫がKUASに入りたいと言ったら、親や祖父母がブランド校ではないと猛反対した。本人も何をしたいのか定まっていない」

「新卒者を1万人採用してきたが、ブランド大と非ブランド大で能力に何の関係もない。それなのに親はブランド大を目指して子どもを小学校から塾へ行かせ、夜遅くまで勉強させる。大学に入る時はエネルギーを使い果たしている。これでは創造力もコミュニケーション能力も育たず、グローバルで通用しない」

「採用する企業側もブランド主義だ。その方が安心だからだ。社会が求める学生を送り出す方向に、家庭も学生も企業も考えを変えるべきだ」

引用終わり

 

永守氏の言う様に、日本の教育は文科省の許認可制度で縛られており、産業界と違って公平公正な競争原理は働きません。(産業界も必ずしも公平公正ではありませんが…)

 

その為、新しい学校や学部を創設しようとすると、「政治や業界の利権」などによって制限があったり(記事でも永守氏が医学部創設はバリヤーが高いと言っています)、文科省審査員の理解不足等により重箱の隅をつつくような質問があったりと大変な苦労があるようです。

 

そもそも日本の教育システムは戦後の高度経済成長に合わせ、炭坑や工場で働く人間を育てるシステムと聞いています。こういったシステムは昔の様な経済には必要でしたが、今現在やましてやこれからの未来には却って足かせになりえるシステムかも知れません。(炭坑は無くなり工場もIT化ロボット化が進んでいます)

 

とはいえ、教育改革も少しずつでも行われているのですが、永守氏の言う問題点は私たちにもあるようです。それが引用最後にある、「ブランド主義」です。

 

採用する企業側もブランド主義で、採用担当者が採用を決定する際に、よりブランド力のある学生を採用する傾向があり、そのため家庭でも進路を決定する際に「ブランド力のある学校」を優先し、学生本人も何をしたいのか定まっていなければ「ブランド力」で決めてしまうのが現実の様です。

 

これでは専門性も育たず、より高い専門性が求められる技術者のレベルが世界に遅れてしまい、技術立国日本がどんどん過去の話しになってしまいます。そして経済も三流に落ち、日本の未来は暗いものになってしまう可能性が高まります。

 

その為にも、永守氏や経済界の声も大学教育に反映して、利権ではなく必要な学部・大学を創立し、不要な学部・大学は少子化もあるのでどんどんなくすという、大学同士も競争をして質の高い教育ができるようにして欲しいですし、それを行うのが政治だと思います。

 

そして、私たち個人も、子供の教育は勿論、自分の未来に対しても、キャリアプランやライフプランを基にして「考え、行動する」ことが求められているのだと思います。

 

永守氏は記事の締めとして

以下引用

「これからの永守学園では人間教育をやりたい。日本人としての誇りを持ち、世界に通用し、将来の日本をつくる若者を育てることだ。例えばDX(デジタルトランスフォーメーション)人材やソフトウエア技術者、人工知能(AI)の専門家など世の中が求めている人材だ。社会で不足している、こうした人材を育てたい」

引用終わり

 

としています。

教育が単なる就職するための「ブランド」ではなく、この言葉の様な「人間力向上」になるように期待したいところですね!

 

 

今日もありがとうございました。

あきたで出産・子育てガイドブックに取材記事が掲載されました。

クルール秋田版(4月号)に記事が掲載されました。

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