教育資金の考え方

「人生の3大資金」の一つ教育資金。

 

当然ながらご相談が多い事の一つでもあります。

 

子供が生まれたばかりという方は勿論ですが、これから数年内にお子様が受験を控えている方にとって頭を悩ます問題ではないでしょうか?

 

ここでは教育資金の考え方について触れたいと思います。

教育資金は「いつ、いくら」掛かるのか?

まずは「いつ、いくら」掛かるのかを知るところから始めましょう。

 

一般的に子供一人あたり1,000万円以上と言われていますが本当でしょうか?

   国公立  私立
幼稚園 約70万円 約150万円
小学校 約185万円 約855万円
中学校 約45万円 約130万円
高校 約116万円 約290万円
大学 約510万円 文系 約690万円  理系 約788万円
合計 約926万円 文系 約2,115万円 理系 約2,213万円

上の表の通り教育資金は、「公立」か「私立」で大きく差が出ます。

 

どこから「私立」に行くのかで計算するのが一般的ですが、正直その通りになるかは分からないですよね。

 

ですが、わからないから準備しない!では済まない位に大きな金額ですので、一般的には大学は私立で計算して予算化する方が多いです。

 

公ー公ー公ー公ー私(文系)という進路です。

 

それでいくと合計額は

1,106万円!

 

この位は掛かるというのが一般的な子供一人あたりの教育費です。

 

また、お金が大きく掛かってくるのはやはり大学。

高校もそれなりに掛かるところから考えると、子供が15歳になるまでが貯め時と言えそうです。

 

そして、授業料も年々上がっているのも重要な点です。

私大の授業料は

1997年  年間約77万円

2014年  年間約90万円

17年で約17%上がっています。(年1%ペース!)

もしこのペースで授業料が上がった場合、1%以上の利回りで運用しなければ授業料の上昇に追いつけないことになります。※更にインフレになれば上昇ペースが上がる可能性も否定できないでしょう。

 

もちろん過去の推移ですからこのままの上昇率で上がる訳ではありませんが、こういった事実にも目を向けながら準備することは重要だと思います。

 

ではどうやって資金を準備するのか?

それでは教育資金の準備方法ですが、どのように準備するかはを決めるためにも、いくら掛かるのかある程度の進路を予想し準備資金のゴールを決めることが重要です。

 

全く予想できないという方は、公ー公ー公ー公ー私のようなケースで進んだ場合にいくら掛かるかを想定してみるのも良いでしょうし大学は行かないかも知れないとお考えであれば、もし行きたいと言われた時にいくらまで用意してあげるかを考えるのも良いでしょう。

 

とにかく「いつまでにいくら」という目標設定が大切です。

また、いくら準備するかを考える時に、満額用意してあげるのか、子ども自身にも奨学金などで用意させるのかも考えた方がいいかもしれません。ある程度お子様が大きくなってから、「大学の費用はこのくらいは出してあげるから、それで足りないものは自分で用意してね」などとしっかり話し合うのも大事なことだと思います。

 

その上で「何で準備するのか」を検討します

 

⑴学資保険

⑵投資信託・株式・債券など

⑶貯金や財形など

 

一般的にはこういった金融商品を活用する方が多いと思います。

 

それではそれぞれのメリット・デメリットをお伝えします。

  利回り 物価上昇 流動性 元本割れリスク メンテナンス
 学資保険 × × 商品により異なる 不要 
投資信託・株・債券など ⚪︎ ⚪︎ ⚪︎ 有り 必要
預貯金 × ⚪︎ 無し 不要

※流動性とは運用中に自由に引き出したり、ボーナス時などに逆に多く入れたり、また途中で積み立て金額を上げたり下げたりできる事を言います。

※学資保険は商品や払込方法によって掛金合計額よりも受取合計額が少なくなる商品もあります。また、満期前に解約をすると元本割れをする場合があります。

それぞれの特徴を考え自分に合った手段を取り入れましょう。

学資保険では、短期払い込み(満期は18年後だが、掛金は5年で払い終える等)

の商品でも精々100万円の掛金総額が120万円前後になる程度です。(返戻率120%)

これは金利にしても年率約1%程度です。(とはいえ預貯金よりはマシですが)

また、保険の場合、基本的に掛金の支払いを途中で休んだり、下げたりはできません。

 

もちろん保険になっているので、契約者に万が一あっても満期金は出ますが、これは契約者がしっかりとした保険に加入していれば済むことだったりします。

 

学資保険で用意する場合には、少なくとも

①最後まで無理なく掛けれる掛金かどうか

②将来の物価上昇リスクには弱いこと

③学資保険だけでは学費全体は賄えないこと

こういったことも考えて用意すべきでしょう。

 

 

では投資で用意する場合ですが、

例えば毎月1万円を積立投資して5%で運用したらどうなるか

投資元本は1万円×12カ月×18年=216万円です。

運用収益は約130万円となりますので、約346万円になります。

では3%ならどうか?運用収益は約70万円なので、約286万円になります。

 

いかがでしょう?学資保険で同じように18歳まで掛金を支払うタイプでは精々240万円程度にしかなりませんから、大きな違いが出ます。

また、積立投資なら途中で休むことも投資金額を増やすことも減らすこともできます。

 

 

しかし、注意点というか、必ずしなければならないのは、長期投資・分散投資・積立投資についてしっかりと知識を身に着けることです!

 

その為には関連する本などを購入し独学で学ぶのも良いですが、投資は一人で行うと欲に負けて必要以上のリスクを取ってしまう方が多いのも事実です。

 

そうならない為にも、独立系ファイナンシャルプランナーや独立系金融アドバイザー(IFA)などのアドバイスを得ながら行うべきでしょう。間違っても知識のないまま投資をしないで下さいね!

 

よく例え話でするのですが、投資は車の運転と同じと思ってください。

 

車の運転でも、最初は知識もなく運転技術もない状態だったと思います。しかし、交通ルールを知り、車の仕組みを学び、操作方法を学んでから路上に出るので事故も少ないと思います。

もし、何の知識もなくいきなり車を運転しろと言われて乗ったら、信号の意味もどちらを走るかも分からず乗るわけですからかなりの確率で事故を起こすのではないでしょうか?

 

投資も同じです。ですが、現実にはほとんどの方は何も学ばずに金融機関や知人の言われるがままに始めてしまっています。結果は運で決まりますね。運よく儲かっても、次には失ってしまう方が多いのではないでしょうか?

 

もちろんそれでもリスクはつきものですが、それは車の運転も同じです。

 

私が行っている資産運用セミナーでは長期・分散・積立運用についてお伝えしていますので、ぜひお越し下さい。

※また、同じファイナンシャルプランナー資格者にも資産運用が不得意な方や保険での運用のみを勧める方もおりますのでご注意下さい。

 

 

最後に預貯金ですが、低金利が続いている以上、運用で増やすことは期待できませんが、一定以上は残しておかなければならないものですので、貯金できる限りの金額を学資保険や投資に回すのはやめるべきですね。(そんな方はいないと思いますが…)

 

 

私の考えは投資によってという考えではありますが、価値観が違えば考えも変わります。とは言え各方法を知った上で選択すべきではないでしょうか?

 

いずれにせよ、大切なお子様への教育資金です!

親としては子供の進みたい道を経済的な理由であきらめさせたくはないものですね。

 

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あきたで出産・子育てガイドブックに取材記事が掲載されました。

クルール秋田版(4月号)に記事が掲載されました。

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